延岡人は当たり前と思っているかもしれないが、延岡市内の食べられるチャンポンは、かなり独自性が強いチャンポンだ。私たちはこれを「延岡チャンポン」と呼んで、チキン南蛮に続くご当地グルメとしてアピールしていきたいと考えている。
何が特徴的かと言うと、使う麺がまず違う。チェーン店のリンガーハットなどが提供するチャンポンは、長崎チャンポンと呼ばれるジャンルのチャンポンで、太麺のストレート麺が主流。これに対し、延岡チャンポンは細麺、それもやや黄みがかった“蒸し麺”を使うところが決定的に違う。
スープはとんこつ、鶏ガラ、シイタケだしなどと店によってまちまちだが、とんこつでもあっさりとした味付けなのがいい。
九州保健福祉大学の山内利秋准教授によると、延岡チャンポンは“戸畑チャンポン”の流れをくんでいるとか。
「ならば」と先日、北九州市を訪ねた際、戸畑区まで足を伸ばし本場の“戸畑チャンポン”を食べてきた。
訪ねたのはJR鹿児島本線戸畑駅から北へ、若戸大橋が見える大通り沿いにあるラーメン店「八福」。戸畑では知る人ぞ知る名店で、昼時には行列ができ、麺が売り切れ次第閉店になるとか。
帰りの電車の都合上、午後4時過ぎという中途半端な時間帯だったが、店内には先客が数人。早速、チャンポンを注文したところ、値段が「400円」と激安なのにまず驚いた。他のメニューも、「ラーメン350円」「ラーメン大盛り400円」「ワンタンメン400円」など、とにかく安い。店構えといい、昭和の雰囲気をバリバリ残しているのだ。
さて、出てきた本題のチャンポン。見かけはまさに延岡チャンポンそのもの。スープをすする。とんこつの薄味。これも延岡チャンポンと同じだ。
延岡チャンポンとの違いは、麺の色。たっぷりの野菜の下からかきだした麺は、細麺だが色が茶色い。店主に聞くと、これも“蒸し麺”だとか。ただ、延岡チャンポンの蒸し麺よりも腰が強い感じがした。
戸畑チャンポンと延岡チャンポンには、麺の色こそ若干違うものの、たっぷりの野菜、あっさりしたスープの味、蒸し麺を使う――など、かなりの類似点があった。
戸畑と言えば、八幡と並ぶ製鉄のまち。製鉄所が繁栄していた時代、安くてボリュームのあるチャンポンは、多くの労働者の方々に喜ばれていたという。
延岡も旭化成の企業城下町として栄え、多くの労働者を抱えていた。そんな労働者のグルメとして登場したのが延岡チャンポンだった。
今年9月で店終いした久松製麺所(中島町)の久松勢二さんによると、先代・一男さんが昭和29年、各地の麺を見て回り、戸畑チャンポンなども参考に考案したのが延岡版の蒸し麺だった。蒸すことで腰のある麺ができる、という。
一方で一男さんは、麺のソフトさを失わないように心がけたそうで、戸畑の蒸し麺とはひと味違う、腰がありながらも食感が優しい独特のチャンポン麺が誕生した。
他の製麺所も、久松さんを真似て麺を作るようになり、延岡チャンポンが広く普及することになった。だが、「後継者がいなかった」(勢二さん)とはいえ、元祖の久松製麺所が廃業してしまったことが残念でならない。



















久松製麺所が廃業ですかー。知らなかつたー。美味しかつたのにー。わー。つらいなー。
チャンポンだーい好き です。レストランでは チキン南蛮。食堂では チャンポンと。決めている私です。