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2009年10月29日
(時々コラム)鮎やなを考える

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 親父は、その道70年近い鮎漁師だ。もちろん生業(旭化成)はあったが、シーズンになると休みの日や、3交替で時間が空いた時など、ほとんど川に行きっぱなしだった。

 

 

 最近はグラウンドゴルフに夢中で、近年の漁獲減を理由に「鮎はおらんし、全然獲れんから行くだけ無駄じゃわ!」と鮎掛けにはほとんど行っていない様子。一晩の漁獲が数十キロなんてザラという時代を経験しているだけに、鮎掛け自体に対する興味も薄れ気味なのだろう。

 

 

 私の子供時代は、ご飯のおかずに困った時は決まって、小型の鮎を七輪で焼いて身をほぐし醤油で味付けし、そのままご飯にぶっかけて食べさせられることが多かった。鮎好きには贅沢に思えるかもしれないが、「肉が食いてぇ~」育ち盛りにしてみれば、まさに「また鮎?」って心境だった。そのせいか、生まれてこのかた自分から「鮎が食べた~い」なんて思ったことは一度もない。

 

 

 しかし、鮎が嫌いな訳じゃない。いや、むしろ好きだと言った方がいいかもしれない。姿形は川魚の中では秀逸だし、川原で炭を炊き、竹串に刺して食べる鮎の塩焼きは絶品である。一眼とカナ付きを武器に、あのすばしっこさと対決した日々もいい思い出だし、五ケ瀬川が九州でも有数の巨鮎の宝庫として知られていることが誇らしい。だから、五ケ瀬川がいつまでも鮎が棲める川であり続けることを願っている。

 

 

 先日、「これからの鮎やなを考える会」なる組織が立ち上がった。数年前までは3カ所架かっていた鮎やなが今年は、川水流やな1カ所のみになってしまったことを受け、その対応策を考えようという会だ。

 

 

 正直に言うと、「何を今さら」というのが本音だ。鮎やなについては以前から、延岡を代表する秋の風物詩として珍重する声がある反面、あゆ場と呼ばれる食事棟で出されるメニューや環境について、「メニューがマンネリ化している」「天然鮎と思って食べたら養殖鮎だった」「トイレが汚い」「値段が高い」などと改善を求める声が多かった。

 

 

 確かに、やなで出てくる料理といえば、塩焼き、味噌焼き、せごし、鮎めし、甘露煮などで、ここ何十年も変わっていない。「塩焼き1、2匹で十分」という人もいれば、「せごしはどうも苦手で」という人も多いと聞く。ただでさえ魚食離れが叫ばれるなか、旧態依然とした料理だけでお客を呼べる時代は終わったのである。

 

 
 一方で、やな業者が地元内水面漁協に払う行使料についても毎年のように、「高すぎる。もう少し何とかならないか」という声が聞かれていた。

 

 

 五ケ瀬川自体の鮎の漁獲量の減少に伴い、鮎やなに落ちる鮎も減少している。あるやなでは昨年、漁期間中(50日間)に数十キロしか漁獲がなかったという。

 

 

 やなを架ける際には、漁業調整規則で鮎が逃げる道(魚道)を川幅の5分の1以上確保しないといけないことになっている。ところが以前は、この魚道が確保されていなかったり、設けられていても鮎がいやがる笹を立てて鮎が逃げにくくするなどの工夫が凝らされていた。こうした現状を憂いたマスコミ関係者が県に告発状を出して以来、行政の監視の目が光るようになり、業者は規則を遵守せざるを得なくなった。それが本来の姿なのだが、鮎自体の資源量の減少も手伝い、鮎やな漁は昔ほど“うまみ”のある商売ではなくなってしまった。

 

 

 では今後どうするか。早急にすべきことの第一は、鮎やなで出される料理内容の抜本的見直しだろう。鮎三昧を喜ぶ人ばかりではない。新メニューを開発し懐石風な内容にしたり、子供たちが喜ぶ揚げ物などを加えたりするのもいい。「延岡発祥」で売り出し中のチキン南蛮なんかがメニューに加わると最高だ。

 

 

 やな自体を架けるかどうかについては、「形だけの観光やなにしてしまえば、300年以上続くやな漁という伝統が廃れてしまう」という意見も根強く、簡単ではない。行使料が高いか低いかについても、なぜ行使料が必要なのかから真剣に議論すべき時かもしれない。

 

 

 そして何より大事なことは、五ケ瀬川を昔のように鮎があふれる川にすること。瀬掛け漁や海産稚鮎漁をどうするかを含め、漁業者だけでなく、行政も市民も一緒になって流域全体で考えるべき時期に来ていることは間違いない。(K1)

川水流やな

川水流やな





1件のコメントがあります。

  1. 2009-10-30 : マックとビンゴ

    こんばんは。
    失礼します。
    私は延岡で生まれ育ち、高校卒業と同時に延岡を離れ、現在は都内在住の者です。
    鮎やなのある風景っていいですよね。初めて見た人はきっと私のように「なにあれ?実際に見てみたい」と思うはずです。で、その中の何割かの人は家族、また同僚を連れて実際に行きますよ。
    問題は、一度実際に鮎やなを訪れたお客様が、また来たいと思うかどうかだと思うんです。
    満足して頂いていたら、リピーターとなり、またクチコミでより多くのお客様が訪れることでしょう。
    そうではない場合、もうお客様はこない、さらに不満のこもったクチコミがさらに多くのお客様を遠ざけてしまいます。
    台所事情はどこも厳しく、将来のことより明日の売上を考えてしまうのが現実ですよね。
    でもこの伝統ある鮎やなを後世に伝え、残していくにはもちろん価格面や、いろいろなアイデアも必要だと思いますが、基本として、「本物(天然鮎)を提供する」姿勢が大事だと思います。
    現在、都内のスーパーでも養殖鮎が一匹100円で売られています。
    こういうものを食べている人々に、鮎やなの風情とともに行き届いたサービスと本物の味を提供することが出来れば、時間はかかるかもしれませんが、少しずつお客様を呼び戻せるのではないと思います。
    素人が理想論を好き勝手に言わせていただきましたことを、お許しください。


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