昨年末に全線廃止となったTR高千穂鉄道から日之影町に無償譲渡されることになっている車両の搬出作業が2月10日夜、旧高千穂駅で始まった。車両は本体部分を前後に切断し、車軸を外した状態で大型クレーンによって釣り上げられた。

10日夜9時、高千穂駅前の県道(通称・駅通り)には交通規制がかかり、間もなく大きな50トン級クレーン車が現れた。日之影町に無償譲渡されるのは100系普通車両・TR-104とTR-105の2両。
駅のそばで線路をまたいで架かる「神の里橋」のたもとには、前週末までに前後二つに切断された2両が並べて停められていた。高千穂駅から日之影温泉駅まではトラックでの輸送となるが、国道128号線から日之影温泉駅までの道が狭いため、鉄道車両をそのままの状態で運ぶことが出来ないからだという。

この日の搬出はTR-104。日之影町にかかる長大橋・青雲橋に由来する愛称「せいうん」のヘッドマークはそのままだ。仮設照明が整えられた後、車体の半分に慎重にクレーンがかけられた。車体の残り半分には接したままの状態、隣の車両との間隔もごくわずか。しかも、そのまま釣り上げれば橋に干渉するのは明らかな位置。どうやって動かすのだろう?

午後10時15分ごろ、ゆっくりと釣り上げ作業が始まった。車体を少し浮かせた状態から、横にずらして線路脇のスペースに出し、ここから一気に橋の上まで釣り上げられ、そのまま橋の上で10トントラックの荷台に静かに載せられた。その姿には、鉄道車両としては何か強い違和感を感じずにはおれなかった。
さら11時前には残り半分の車体が、11時15分頃には残された車軸部分が釣り上げられた。3台のトラックに「分乗」したTR-104は、この後国道218号線経由で陸送され、予定より早い午前2時半ごろ、新たな安住の地である日之影温泉駅構内に搬入された。今後、簡易宿泊施設として生まれ変わるため、内外装の手直しを受けることになる。

残るTR-105(かりぼし)は、13日の夜から同様の段取りで搬出される予定。




















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