県北にはいろんな方言があるが、他県から来た女性が面食らうのが「ボク」という言葉。あるていど使い慣れてきたら、それほど抵抗はないようだが、初めのうちは「どうして女性が、ボクと言うの?」と、不思議でならないそうだ。
それもそのはず、「かあちゃん、きのう車をぶつけたつよねぇ」、「そらボクじゃ、気をつけんといかんよ」。こんな会話の中で、女性がさりげなく「ボク」を使うものだから、知らない人が聞いたら、「どうしてボクなの?」と、首をかしげたくなるのも当然である。
「ボク」は、「大変だ」という意味で、県北の人なら誰でも知っている。ほかに「いんまボクじゃ」(いまに大変なことになるよ)とか「そんげなコツしよったら、ボクぞ」(そんなことをしていたら、大変ぞ)などと使う。
「ボク」と同じ意味で使われる言葉に「デジ」がある。「そらデジじゃ」、「そんげなコツしよっと、デジぞ」といった具合だ。ただ「そらデジじゃ」と言うときには「そらデッじゃ」と、つまるのがふつう。
しかし「ボク」と少し違うのは、「デジなコツんなるき、やめちょけ」(大変なことになるから、やめときなさい)などと言うときに、「デジ」の代わりに「ボク」は使わない。
つまり、「ボクなコツんなるき」とは言わないわけだ。ここらが、延岡弁の難しいところ、ややこしいところだが、延岡では、同じ意味の「ボク」と「デジ」を、見事に使い分けている。長年延岡弁を使っておれば、当たり前のことではあるが・・・。
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